2012年1月26日木曜日

ある写経会での話

ある写経会での話。
始めて参加した女性が黙々と筆を進めているのを見た先生が、「Nさんでしたね。Nさんが書いているのはお経とは違うようですね・・・、誰かの名前を沢山書いているようですが・・・」
「はい。妙子、勝夫、福太郎、私の子どもです。この3人の名前は観音様の一文字を頂いて付けました。13歳の娘は妙音(みょうおん)観世音の「妙」を頂いて妙子。10歳の息子は勝彼(しょうひ)世間音(せけんおん)の「勝」を、4歳の息子は福聚海(ふくじゅかい)無量の「福」を頂いたものです。お経の文字を一字頂いた名前に恥じないような生き方をして欲しいと願っています。実は私は一週間前に肺癌の告知を受けました。医者の話では九ヶ月から一年程の命とのこと、苦しみ悩みました。何より残して行く子ども達のことが心配で・・・。今朝、仏壇の前に座っていますと亡き母の声が聞こえ、『観音様の力を頂いている子供達だ。お前がいなくても立派に生きて行く。心配するより子供達の成長を祈願しなさい・・・』と。これは悩み抜いた私の心の叫びというか結論に違いないでしょう。母からの語り掛けのように思えたのです。その後で、ここで写経会が開かれていることを知り参加させていただきました。先生、私の写経は子供達の名前を何度も何度も書くことにしたいのです。子ども達の名前は私にとってはお経です。我が子の名前を命の限り書き続け、私の写経にしたいのです。私の我儘(わがまま)を許して下さい・・・』
Nさんの目から大きな涙が落ちて、妙子、勝夫、福太郎と沢山かかれた写経を滲ませた。まるでお母さんの温かい胸が三人のお子さんを抱きしめているかのように見えたと言います。
「素晴らしい写経では有りませんか。写経会の部屋は何時でも開いていますから、どうぞ心行くまで、命の果てるまで続けて下さい。何時の日かお子さん達にNさんの写経を見せましょう。きっとお母さんの祈りと願いを心に深く受け止めて、立派な人生を歩んでいくに違いないでしょう」
この日から一年後、Nさんは家族に看取られて旅立って行った。心乱すこと無く穏(おだ)やかな笑みを浮かべていたという。四十九日の法事では仏壇の前にNさんの写経が額に入れられて安置された。この日から妙子、勝夫、福太郎の三人は写経に向かって「お母さん、行ってきます」と声を掛けて学校や幼稚園に行くようになった、といいます。
こんな話を聞いた後、更に
「喜びの時も悲しみの時も直ぐ側にいてくれる人、遠い道も近い道も明るい道も暗い道も一緒に歩いてくれる人、こんな人があなたの側にもいるでしょう。こんな人のことを仏様って言うんです。仏様のような人のいない世の中になったら寂しいですね。ほら、あなたの側に仏様見ぃーつけた!」という話を聞いた。
「あの人は仏様のような人だねぇ!」という話を聞かなくなった。「子どもはみんな仏の子、今頃の子は仏の子らしさが無くなった。もう一度一緒に仏様や仏の子を見つけてみましょう。もし、見つからなかったらあなたが仏様になって下さい。あなたのお子さんやお孫さんを仏の子として育てて下さい。あちこちで『仏様見ぃー付けた!』って、声を掛けて下さい」という話を聞いて、ネパールの子どもを思った。
アイウエオサークルの奨学金生徒は応募してくれた里親の子どもだ。と同時に我の子どもでも有る。仏の子どもとして育って欲しい、と思った。       彦
参照・雑誌ばんたかぶっきょうスクール

○○○ネパールで、学校に行きたくても家庭の事情で行けない子どもへの日本人奨学金里親を探している。毎月3千円で、現在6年生を10年生卒業までの5年間応援して欲しい。日本の何処からでもいい、手を上げてくれる人を探している。振り込み確認後、直ぐに担当して頂く学生のファイルを送る。もしネパールに行かれるチャンスがあればいつでも学校や自宅で面談できる。詳細は「アイウエオサークル」で検索、確認を

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