2009年9月19日土曜日

ネパールの現状

17日のブログを読み直して、もう少し、真剣に応援しなければならないほどに困っているネパールの現状を書きたくなった。
ネパールは南アジアに分類され、85年に設立された南アジア7カ国で構成する南アジア地域協力連合(SAARC)のメンバーだ。この7カ国は、ネパール、インド、パキスタン、ブータン、バングラディシュ、スリランカ、モルディブ、だ。05年11月にはアフガニスタンの加盟が承認された。日本もオブザーバーとしての加盟を申請している。
この14億人を抱える世界最大の地域、SAARC域内の約2分の1の住民が、1日1ドル以下の収入しかなく、物々交換の世界で現金を見たことがないという住民も多く、極貧生活を余儀なくされている。
我の知るネパールでは、子供は家族が生きていくために家庭内労働者として位置付けられ、地方では未だに女性12歳、男性15歳ないしそれプラス1~2歳という暗黙の基準での児童婚や債務奴隷としての引き取り(これを人身売買と言わないか?)が普通に行われ、児童労働は深刻な問題となっている。
女性は12~15歳ぐらいまでに嫁にやらなければの思いで、教育には熱が入らない。嫁ぎ先でいじめられないためには炊事に掃除、洗濯は当り前で、漢方の前進であるアーユルベーダの薬作りから、老人や病人の面倒見まで、農作業、家畜の取扱、その他ありとあらゆる事を教えなければならず、勉強どころではない。そこで女性には勉強はいらないとなる。嫁は血を繋いでいくために長男を生む道具であり、長男が生まれなければ帰してしまうか二人目の嫁を迎えることとなる。更に労働者として迎えるという考え方があり、思うほど働かなければ、ここでも二人目の嫁が迎えられることになる。働かない嫁に食わす飯はないと聞いた。息子は親の言うことは命令として聞き、全くとは言わないが殆ど言われるままになっている。
ネパールの教育制度は10年制になっているが、地方では3年制や5年制、7年制、8年制の学校もある。これが又問題で、3年制の学校を卒業させた親は、しゃあしゃあと「私の子供は学校を卒業しました」という。「だから私達と違って子供は字がかけます」と言う。田舎回りをしたときに、「それでは駄目だ!」と何回激論したことか、思い出す。勿論3年制や5年制を卒業した後、更に遠くの学校に進学する子供もいるが、教育を与えたからもういいという親も多い。就学率が低いばかりでなく、ドロップアウト(中途退学)の子どもも多い。更に学校教育環境も悪く、殆ど訓練を受けていない教師の下、50人学級60人学級も多く、学校の数も少なく、教室不足も目立つ。
親が現金収入が全くない、しかし人生行事は必要で、地主などから借りることになる。現金ではなく必要な物を貰い、金額で表示される。その返済に子供が引き取られていく。子供がいなくても昔から村内に生活している者には無担保で金は貸し出される。「これから生めば良い」、という。「自分の息子が後を引き継ぐから」と、12年でも15年でも待ちましょう、と言う。そのためにお祖父さんの借金を背負って生まれてくる債務奴隷も多くいる。その多くは女の子は12歳で、男の子は15歳で引き取られていく。女の子の行く先は、世界で最初に出来た栄光ある?世界最大の赤線地帯、今でも12歳~18歳の娼婦20万人がいると言われるインドのムンバイだ。ネパールから毎年3万~4万人が供給されないと赤線は維持できないといわれる。
一方で、97年の会合で、SAARC域内貿易を自由化する「南アジア自由貿易圏」(SouthAsiaFreeTradeArea=SAFTA)の実現構想に合意、06年1月にSAFTAを発足させ、現在は15年末までに関税を0~最高5%まで引き下げる自由化プロセスに着手している。もともと南アジアの貿易相手はその大半がSAARC域外国でSAARC域内での貿易額はSAARC域内全体の貿易の5%に過ぎないと言われ、自由貿易圏を作る効果は少ないと言われている。しかし、ネパールの隣国インドは10億人を超え、SAARC域内の人口は14億人を超えている。EU(欧州連合)やアセアン(東南アジア諸国連合)などに見られる自由貿易圏では世界最大。
我は、アイウエオサークル設立以来、ネパールの貿易相手、市場はインドでなければならないと考えていたが、中々ネパール人に通じない。その根源は、ネパールを軽んじているインド人が嫌いだからというところらしいが。
現在、インドとは改定貿易協定案を協議中で、近い将来3,000億円も達成ではないかと見られる中、08年4月から09年2月までのネパールとインドの総合貿易高は約1700億円(8月24日、インド新聞)。大半はインドからの輸入だが。
ネパールの対印輸出の主要品目は、バナスパチ・ギー(澄ましバター)、糸、繊維製品、GIシート・線材、ジュース、スナック、化学薬品など。一方、インドからは、主要穀類(コメ他)、医薬品、石油製品、インフラ品目(セメント、鉄鋼など)、輸送車両、部品、機械類、化学薬品、エレクトロニクス製品、農業機械類など。
インドはネパールの主要投資国で、現在ネパールでインド関連プロジェクトが400件余りも進行中。ネパールの外資直接投資(FDI)の44%強を占めている(09年8月19日インド商工省発表から)。
ネパールの隣に10億人を超える市場が横たわっている。しかも、市場環境は良くなろうとしている。自給生活の中で余った物を売るという発想のネパール。ならば、もう少し余るように作り、インドへ売れば良い。単価競争で勝てる、売れるはずだ。勿論農産物の話。半年ほど前か、この話をしたら、「ならばもっと子作りを頑張ればいい、値段は幾らでもいいんだから」とほざいた馬鹿がいた。だから我が怒り、激論になってしまう。あれはきつい悪いジョークだった。教育の問題だ。もっと多くの教育のデリバリーを進めたい。そうしてヒマラヤの農業立国を育てたい。  彦

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