今回のネパール出張では、自分の出したCO2に責任を持つ(自分で始末する)仕組み、カーボン・オフセット(相殺する)の話が弾(はず)んだ。3時間も話してしまった。
大切な協力者のバラト・ダカール氏から「話がしたいので、今から行きたい」と電話があり、彼はアイウエオサークルのカトマンズ事務所に来るなり、「ACA・Japanは植林を止めたのか?」と詰問してきた。
要は「あちこちで植林をして欲しいと言われている」ことを我に告げ、手伝いたいということだった。「気持ちは有り難いが気持ちだけでは進まないし、進んでもそれは良い結果にならないことが多いので、手伝う責任と将来の良い結果を保証できる条件作りや検証も必要ですよ」と、話をしているうちに、ふと気付き、「地球温暖化対策の話はどれ位知っていますか?」と矛先を向けたら、「貴方(あなた)はネパール人は何も知らないと思っているんですか?」と返されてしまった。
勢い、よしそれならと「貴方は自分が生きていくうえで、生活することが炭素排出を促し地球温暖化を進めていることに成りますが、その責任をどうするか考えたことがありますか?」と詰めた。
「そのために植林をして欲しい、私も手伝うと言っているではないか」「我々でもできる温暖化対策は植林でのカーボン・オフセットが手軽で一番効果があると思っている」「ネパールではまだ車を持っている人は少ないし、多くの人は電化製品も持っていない、産業が無いから炭素排出の元凶みたいな工場も無い、外人観光客も年間5~6万人程度しか来ないし、海外労働やゴルカ兵の外人部隊依(よ)りの送金が主な収入のこの国でどうやってエコを進めようと言うのか」「日本やアメリカでは非常にハイレベルな生活をしているが、それが温暖化の原因ではないか、日本人はもっと考えるべきだ」「温暖化の元凶である日本人と、炭素排出の少ないこのネパール人が一緒にできる温暖化対策は植林しか無いのではないか、これはエコの王様だ」と、やられてしまった。
結果、彼からは「これからはカーボン・オフセットを前面に出してやらなければだめだ、ネパール政府にももっとACA・Japanを手伝うように話をしよう」と、指摘されてしまった。
我は苦笑いするばかりだったが、かつて我の心の中で長いこと温めていた考えを彼自身の考えとして指摘されてしまった。
結果、「解った、希望地の郡長達にリクエストを出すように言って欲しい、熱心な地区で進めよう、これからも協力を宜しく」と言わざるを得なかった。いや、本心は嬉しかった。現地のこういう協力者がたくさんいて支援事業は上手(うま)くいく。
折角なので、以下、温暖化対策の切り札、アイウエオサークルの植林支援についてちょっと触れて置く。
現在、アイウエオサークルは一般の人達に一口1000円で苗木寄付をお願いしている。現地で苗木を購入し、その苗木を村人達にただで分け与え、彼らの自分の土地に植えて貰っている。そうしないと水を与えたりの管理をせずに枯らしてしまうので、何のために無料で与えるのか、何のために丁寧に育ててくれと言うのか、そのための貴方(あなた)達や我々のメリットは何か?、などの勉強をしてもらい、苗木を与えている。植林が終わったら、寄付してくれた人達の名前を書いた横30センチ大のラベルを取り付けてもらい、写真を撮り、植えた証拠としてその写真を苗木寄付者に郵送している。
個人の寄付や各種補助金、ネパール政府からの約半分の苗木寄贈を受け、これまでに11万本を植えた。
いきなり地球温暖化対策を真剣に考えたり、太陽光発電パネルを購入したり、車に乗るのを止めたりするのでは無く、今の生活を維持しながら2~3千円で頑張っている人達を応援する、それが各個人自(みずか)らの、温暖化対策に参加していることに成る、ゆったりとした生活。これがアイウエオサークルの植林、アイウエオサークルの提案。
自分が出した温室効果ガス(主にCO2)を出さなかったことにするための費用負担=カーボンオフセット。それがアイウエオサークルの考えるネパールでの植林支援。
既にネパールのパルバット地区フワス群で、隣接する9つの村でその住民達と協力しながら現地の苗木20種類を、この10年間に数で11万本もの木を混埴、植えることができた。その木は十分に育ち、その地区では速(はや)くも、薪(マキ)になる木は薪に、牛の餌になる木は牛の餌に、果物のなる木は季節ごとに食べて、花のなる木は季節ごとにその花を愛(め)でて、豊かな生活のために生かされている。アイウエオサークルは針葉樹は一切植えない。理由は針葉樹は植林した土地が使えなくなるから。雑草と稲藁(いなわら)、飼料木の葉を餌にしているネパールには向かない。
アイウエオサークルは、国連で指摘する後発後進国ネパールで、その農家や地域の人々が生活安定のためにする植林を手伝ってる。これからもアイウエオサークルは餌になる木を大量に植え、その木が薪にならないように薪になる木も大量に植え、その中に果物のなる木や花のなる木を混ぜて植え、CO2をより大量に固定するようにその木々の維持管理の方法を教え、20年スパンで維持継続していく。
木は成長するつれて大きくなるが、その大きくなった分は炭素(CO2)がより沢山貯蔵された証(あか)し。そのために植えるだけで無く、元気に育つための維持管理が大切になる。
確かな計算は難しいが、大きな木40本で1年間に約1トンの炭素を固定すると言われている。
温暖化対策はCO2、炭素を出さないこと、出した炭素を固定すること。
我々にできる温暖化対策は植林を続けること、そしてそれを里山として維持管理すること、これに尽きると考えている。
これを読んでくれた方達に、更なる支援をお願いしたい。
郵便局にある振り込み用紙に、苗木を寄付してくれるあなたや、ネパールに苗木寄付という行為をプレゼントしたい人のフルネームと住所、1口1000円の寄付金が何口かを書き込んで、その支援金を以下に送って欲しい。 彦
郵便振替口座 00240-4-76423
講座名 アイウエオサークル
2008年9月9日火曜日
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