2008年9月2日火曜日

ネパールの今日から3日間は「ティズ」で女性の休日(心身を清め旦那様に尽くす日)

一昨日無事にネパール入り、昨日は銀行送金関係で1日中てんやわんや。
今日からの3日間は一切の女性の休日日。
ネパールの今日からの3日間はハリタリカ・ティージ潔斎(けっさい)の日。
この日が来ると憂鬱(ゆううつ)にもなり、もっと頑張らなくてはと意気も上がる。
潔斎の字の如(ごと)く、結婚している女性が神仏に仕える前に心身を清め充分に仕えること。
この神仏とは旦那様。旦那様は神様。今日からの3日間は今までの毎日よりも至れり尽くせりで旦那様に仕える日。そのために行事の中では手を抜かないように色々と決められている。
旦那様に美味(おい)しい料理を作って食べて貰うなどは凡人の考えることで、極め付きは、旦那様の足をバケツの中で洗ってやりその水を飲むこと。反吐(へど)が出そうだ。
カトマンズ事務所のスタッフに聞いた。毎年聞いている。
「今年も奥様達は旦那様の足を洗ってやり、その水を飲むのか?」
「はい、そうです」と、何の躊躇(ためら)いも無く返してきた。
結婚式では新郎が立ち、その足の甲に新婦が頭を付け、新郎が木の枝でその跪(ひざまず)いている新婦の頭を打つ儀式がある。神である新郎に一生従えとの契(ちぎ)りの儀式だ。
今の時代に未(ま)だこのようなことが疑問に思わず、延々(えんえん)と続けられているのが不思議で違和感が募(つの)る。
1993年にこの行事を知った時の驚きが蘇(よみがえ)ってきた。
お坊さんを呼んで、あちこちの広場で説教が成されている。
女性の在り方についての勉強だ。
日本でも明白(あからさま)な女性蔑視(べっし)の時代はあったし、今でも無いとは言え無い。
女性には生理があり、出産という重労働がある。かといってそれが理由で蔑視され、その能力を使おうとしないネパールで、「女性でも勉強すれば男子と同じ成績がとれるということが解った、有難う、日本のお陰だ」、との驚きを聞いたのが97年、ネパールの東の端(はじ)ビラトナガルに学校舎を寄付した翌年だ。男子だけの教育を求めていた現地に「男女共学が条件でなくては幾(いく)ら緊急事態でも支援はできない」と突っぱねた地区だが、いざ開校して1年も経(た)つと、女性には教育はいらないと言っていた地区での男女共学の実験(これは現地の考え方)で、男女に知恵の差が無いということが分かってもらった一例だが、この地区でも未だにハリタリカ・ティージ潔斎の行事は続けられている。
村の彼方此方(あちこち)の広場で茣蓙(ござ)を敷いた中央に俄(にわ)か作りの神様の台座を作りシバ神に座ってもらい、その前に坊さん達が座り、その周りに豊富な食べ物と艶(あで)やかな花を設(しつら)えて、その外側を何重にも取り囲む何十人もの真っ赤なサリーを着た女性達が祈り談笑する姿は圧巻だ。
シバ神の理由は、妻であるパールバティーが、シバ神と結婚したいと願い、数日間何も食べずお祈りだけをしたという故事に倣(なら)ってのこと。
ネパールのあらゆる村で、というより町内単位ぐらいに細かくあちこちで一斉(いっせい)に執り行われている。その女性達が集まる前、集まった後の移動は至る所に真っ赤なサリーで着飾ったネパリー婦人達の行き交う姿、「私の方が奇麗でしょう」と、より目立つように、赤色のサリーの出来具合の競争をしているような本当に艶やかでネパールを観直(みなお)させられるほどの見応(みごた)えだ。
「私達を守ってくれる旦那様は神様だ、その旦那様を崇(あが)めるのは当たり前、今年もこうやってティージを迎えられたことは私にとって何よりの幸せだ」と何人もから何回も聞かされた。
今日は朝起きてからまずシャワーで心身を清め、旦那様へのスペシャル(肉の豊富な)な食事を作り、それから1日中色々な決められた行事を熟(こな)し、夜になったら旦那様の足をすすいだ水を飲み、それからやっと今日初めての食事が許されることとなる。奥さんだけはベジタリアンの食事で野菜と果物だけが許される。
中身を知らないと全く騙されてしまう。
ハリタリカ・ティージ潔斎の日と聞いて、今年もかと嫌な思いをし、外へ出ると彼方此方でのその艶やかさに気を取られついカメラを向けてしまい、ホテルに帰ってから複雑な気持ちにさせられる。
隠された女性蔑視が、生活や教育、政治、経済にまであらゆる場面に深く浸透しネパールの過去未来に大きな影響を続ける実態、ネパールが進まない深い理由を見て知り、ネパール人が選んだやり方なのだから此の儘(まま)でいいのではないかとの錯覚にも陥りながら、外見に騙されてはいけないと振り返り、熟(つくづく)、ネパールにとって、アイウエオサークルの教育環境整備と奨学金授与の2大事業は重要だと感じさせられる。
教育こそがネパールを変える。その支援はアイウエオサークルの真骨頂(しんこっちょう)だ。   彦

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